技術の継承活動と古写真

海苔のふるさと館では元海苔生産者、ボランティアのみなさんと一緒に、昔ながらの作業を1年を通じて行なっています。

昔の作業には無駄がなく、どんなちょっとしたことにも意味があります。

失われつつある昔からの作業を一緒にやってみませんか?

一番のメインは何と言っても、大森ふるさとの浜辺での海苔生育です。冬の浜辺では昔ながらの海苔網と竹ヒビが見られます。

採った海苔で海苔つけができるのが目標ですが、今は「技術の継承」と「景観の再現」を目的に活動しています。

浜辺の海苔生育の1年間の作業

ヒビ抜き・棒抜き(4月)

冬の間、海に建てていた竹ヒビと海苔網用の支柱を「三本爪」「横万力」という昔の道具を使って抜きます。これで海苔のシーズンは終了です。

ヨシ刈り(7月)

海苔をつくる(海苔つけ)の時に使う海苔簀(す)の材料になる植物のヨシを刈ります。海苔をつくるときのことを考えて、程良い太さのヨシを選んで刈ります。

ヨシの葉落とし(8月)

刈り取ってきたヨシは、天日でしっかり乾燥させます。先端以外の葉はいらないので、下の葉を落とします。そして編む時の準備として太さによって分けておきます。


竹のアク抜き(8月)

竹は水分の抜けた冬の間に切っておきます。竹の油(アク)を落とすため、海に1カ月間ほど沈めておきます。引き上げたて汚れを落とした竹で、竹ヒビを作り(こさえ)ます。アクを抜くことで海苔が付きやすくなります。

ヒビごさえ(9月)

アクを抜いて海苔が付きやすくした竹を使って竹ヒビを作り(こさえ)ます。網で海苔を育てる前はこの竹ヒビを使っていました。中心になる竹に枝を結び付けて、海苔が多く付くようにします。根元には冬の間、海底から抜けないようアゴ(返し)を付けます。

場割り(9月)

昔は海苔網をはり出す場所がわかるように海に棒を立てて、漁場の区分けをしました。生産者がどの場所になるかは、毎年くじ引きで決めました。

現在では竹ヒビと海苔網の支柱を建てるときの目印を建てています。


ヒビ建て・棒建て(10月)

場割りで立てておいた棒を目印に、「振り棒」という昔の道具を使って海底に穴をあけ、竹ヒビを建てていきます。

海苔網用の支柱は水圧ポンプを使って穴をあけ建てていきます。

網張り(12月)

水温が十分に下がってくると、海苔の胞子がついた(種付けをした)網をひもで支柱に結んではり出していきます。昔ながらの支柱式です。最初は数枚重ねてはり出しますが、海苔が伸びるにつれて減らしていきます。

収穫(1~2月)

伸び具合や天気を見て、網の高さを調節します。この調節は長年の経験がものをいう難しい作業です。運河の奥まった所という場所もあり、毎年は収穫に至りませんが、数年ごとに写真のように収穫が出来ます。


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